小アルカナは、タロットデッキのうち大アルカナ以外の56枚のカードです。ワンド、カップ、ソード、ペンタクルの4つのスートに分かれ、それぞれにエースから10までの数札10枚と、ペイジ、ナイト、クイーン、キングの4枚のコートカードがあります。
22枚の大アルカナが人生の大きな転機を表すのに対して、小アルカナが表すのは毎日の出来事です。ちょっとした口げんか、昇給、返事を待っているメッセージ。デッキのほぼ4分の3を占めるので、どのリーディングでも出てくるカードの大半は小アルカナです。
うれしいことに、56通りの意味をばらばらに覚える必要はありません。どのカードも「スート」と「数字(または位)」の組み合わせでできているので、このふたつを押さえれば、小アルカナのほとんどは自然に読めるようになります。
4つのスート
それぞれのスートは、四元素(エレメント)のひとつと、人生のある領域に結びついています。ライダー・ウェイト・スミス版(Rider-Waite-Smith)をはじめ、英語圏の多くのデッキは次の対応を使っています。
スートの起源は、ふつうのトランプにあります。タロットは15世紀のイタリアでカードゲームとして始まり、そのスートはイタリアのトランプの棍棒、杯、剣、金貨と同じです。現代のトランプでいえば、ワンドはクラブ、カップはハート、ソードはスペード、ペンタクル(コイン、金貨とも呼ばれます)はダイヤにあたります。
また、各スートには同じエレメントの星座が3つずつ対応しています。ワンドは牡羊座・獅子座・射手座、カップは蟹座・蠍座・魚座、ソードは双子座・天秤座・水瓶座、ペンタクルは牡牛座・乙女座・山羊座です。星座ごとのカードは星座とタロットカードで紹介しています。
数字の意味:エースから10まで
同じ数字は、どのスートでも同じテーマを持っています。そのテーマがどの場面で表れるかを決めるのがスートです。たとえば5は「対立」。ワンドなら競争、カップなら喪失、ソードなら後味の悪い勝ち負け、ペンタクルなら苦境になります。下の表では、各カードの最初のキーワードを載せています。
| 数字 | テーマ | 4枚のカード |
|---|---|---|
| エース(1) | 始まり | ワンドのエース:インスピレーション カップのエース:新しい愛 ソードのエース:明晰さ ペンタクルのエース:新しいチャンス |
| 2 | 選択とバランス | ワンドの2:計画 カップの2:結びつき ソードの2:迷い ペンタクルの2:バランス |
| 3 | 成長 | ワンドの3:前進 カップの3:お祝い ソードの3:失恋 ペンタクルの3:チームワーク |
| 4 | 安定 | ワンドの4:お祝い カップの4:内省 ソードの4:休息 ペンタクルの4:安心 |
| 5 | 対立 | ワンドの5:競争 カップの5:喪失 ソードの5:エゴ ペンタクルの5:苦境 |
| 6 | 調和 | ワンドの6:勝利 カップの6:懐かしさ ソードの6:移行 ペンタクルの6:気前のよさ |
| 7 | 見つめ直し | ワンドの7:立場を守ること カップの7:選択肢 ソードの7:ごまかし ペンタクルの7:忍耐 |
| 8 | 動き | ワンドの8:勢い カップの8:立ち去ること ソードの8:閉じ込められた感覚 ペンタクルの8:勤勉 |
| 9 | 完成の一歩手前 | ワンドの9:回復力 カップの9:願いの成就 ソードの9:不安 ペンタクルの9:自立 |
| 10 | 完成 | ワンドの10:重荷 カップの10:幸福 ソードの10:つらい終わり ペンタクルの10:受け継がれるもの |
表を上から下へ読むと、どのスートにもひとつの物語が見えてきます。火花(エース)、最初の選択(2)、初期の成長(3)、ひと休み(4)、つまずき(5)、立ち直り(6)、試練(7)、勢い(8)、あと少し(9)、そしてサイクルの終わり(10)。その後、また次のエースから新しいサイクルが始まります。
コートカード
16枚のコートカードは、身近な誰か、自分自身のある一面、あるいは状況への向き合い方を表します。位はそのエネルギーがどれだけ成熟しているか、どれだけ活発かを、スートはそのスタイルを教えてくれます。
| 位 | 表すもの | 4枚のカード |
|---|---|---|
| ペイジ | 学ぶ人、使者:好奇心、知らせ、初めての挑戦 | ワンドのペイジ:ひらめき カップのペイジ:心からのメッセージ ソードのペイジ:好奇心 ペンタクルのペイジ:向上心 |
| ナイト | 行動と動き:何かを追いかけること、ときに急ぎすぎること | ワンドのナイト:行動力 カップのナイト:ロマンス ソードのナイト:野心 ペンタクルのナイト:勤勉 |
| クイーン | 内面の成熟:理解、思いやり、感情的な成熟 | ワンドのクイーン:自信 カップのクイーン:思いやり ソードのクイーン:明晰さ ペンタクルのクイーン:育む力 |
| キング | 外に向けた成熟:権威、リーダーシップ、責任を引き受けること | ワンドのキング:リーダーシップ カップのキング:感情のバランス ソードのキング:権威 ペンタクルのキング:富 |
コートカードは、初心者がいちばんつまずきやすいカードです。タロットのコートカード解説では16枚すべてを紹介し、コートカードが人物を表しているのか、態度を表しているのかを見分ける方法も説明しています。
どの小アルカナも読める方法
小アルカナのカードが出て意味を思い出せないときは、次の3つのステップで読み解いてみましょう。
- まずスートを見ます。カードが人生のどの領域の話なのかがわかります。
- 次に数字か位を加えます。その領域で何が起きているのかがわかります。
- 絵を見ます。ライダー・ウェイト・スミス版では数札にもすべて場面が描かれていて、たいていはその絵が意味を裏づけてくれます。
3つの例を見てみましょう。
- カップの5:カップ(感情)に5(対立)が加わって、心の喪失を表します。絵には、黒いマントの人物がこぼれた3つのカップを嘆き、その後ろにまだ2つのカップが立っている様子が描かれています。キーワードは喪失、悲しみ、後悔です。
- ペンタクルの8:ペンタクル(仕事)に8(動き)が加わって、着実な前進を表します。絵には、ペンタクルをひとつずつ彫り続ける職人が描かれています。キーワードは勤勉、スキルを磨くこと、ひたむきさです。
- ソードの2:ソード(心、思考)に2(選択)が加わって、保留になっている決断を表します。絵には、目隠しをした人物が2本の剣を交差させて持つ姿が描かれています。キーワードは迷い、膠着状態、難しい選択です。
そのうえで、各カードの詳しいページも確認しましょう。恋愛での意味、相手の気持ちとしての意味、逆位置の意味など、この方法だけではわからない部分がわかります。リーディングが初めてなら、タロットカードの読み方で全体の流れを紹介しています。
リーディングで小アルカナが教えてくれること
78枚のうち56枚が小アルカナなので、たいていのリーディングは小アルカナが中心になります。3枚引きなら、そのうち2枚ほどは小アルカナになるのが普通で、3枚すべてが大アルカナになるのは50回に1回ほどです。だからこそ、大アルカナがまとまって出てきたときは注目する価値があります。
- ほとんどが小アルカナ:日常的な状況で、自分でコントロールできる部分が大きいことを示します。運命よりも、自分の選択が大きく影響します。
- ひとつのスートが多い:そこに質問の本当のテーマがあります。「お金」についての質問なのにカップばかりなら、本当は自分の気持ちの問題です。
- 同じ数字のカードが何枚も出る:その数字のテーマが全体を貫いています。5が3枚なら複数の場面での対立、エースが3枚なら新しい始まりが一度にたくさん訪れていることを示します。
- コートカードが多い:ほかの人が深く関わっているか、自分がどうふるまいたいのかを問われています。
小アルカナ56枚の一覧
どのカードにも個別のページがあり、正位置と逆位置の意味、恋愛、仕事、相手の気持ち、アドバイス、イエス・ノーの答えを紹介しています。78枚すべてのキーワードを1ページで見たいときは、タロットカードの意味一覧をご覧ください。
ワンド:ワンドのエース、ワンドの2、ワンドの3、ワンドの4、ワンドの5、ワンドの6、ワンドの7、ワンドの8、ワンドの9、ワンドの10、ワンドのペイジ、ワンドのナイト、ワンドのクイーン、ワンドのキング
カップ:カップのエース、カップの2、カップの3、カップの4、カップの5、カップの6、カップの7、カップの8、カップの9、カップの10、カップのペイジ、カップのナイト、カップのクイーン、カップのキング
ソード:ソードのエース、ソードの2、ソードの3、ソードの4、ソードの5、ソードの6、ソードの7、ソードの8、ソードの9、ソードの10、ソードのペイジ、ソードのナイト、ソードのクイーン、ソードのキング
ペンタクル:ペンタクルのエース、ペンタクルの2、ペンタクルの3、ペンタクルの4、ペンタクルの5、ペンタクルの6、ペンタクルの7、ペンタクルの8、ペンタクルの9、ペンタクルの10、ペンタクルのペイジ、ペンタクルのナイト、ペンタクルのクイーン、ペンタクルのキング
小アルカナについてよくある質問
小アルカナは何枚ありますか?
56枚です。14枚ずつの4つのスートでできていて、各スートにはエースから10までの数札10枚と、ペイジ、ナイト、クイーン、キングの4枚のコートカードがあります。
大アルカナと小アルカナの違いは何ですか?
大アルカナは人生の大きな学びや転機を表す22枚、小アルカナは日々の出来事や気持ち、決断、身近な人を表す56枚です。大アルカナが多いリーディングは大切な局面を、小アルカナが中心のリーディングは状況を自分の手で動かせる部分が大きいことを示します。
「アルカナ」とはどういう意味ですか?
ラテン語で「秘密」という意味です(arcanumの複数形)。大アルカナは「大いなる秘密」、小アルカナは「小さな秘密」を意味します。
小アルカナだけでタロット占いはできますか?
できます。日常的な質問には小アルカナだけを使う人もいて、スートと数字を覚えるのにもよい方法です。ただ、多くの人は78枚すべてのデッキを使います。そうすれば、大切な場面で大アルカナの大きなテーマが出てきてくれるからです。
小アルカナは大アルカナより重要度が低いのですか?
重要度が低いのではなく、扱うスケールが違うだけです。小アルカナのカードは、実際に踏み出せる具体的な一歩を示すことが多いので、リーディングの中でいちばん役に立つカードになることもあります。
スートの働きを実際に見てみませんか?無料の3枚引きリーディングでカードを引いて、どのスートが出てくるかに注目してみましょう。各スートをじっくり知りたいときは、ワンド、カップ、ソード、ペンタクルのページもどうぞ。
